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Ken Loach Film - The Wind That Shakes The Barley

月曜日にケン・ローチ監督「麦の穂をゆらす風」(The Wind That Shakes the Barley)の試写を観てきた。第59回カンヌ国際映画祭で最高賞にあたるパルムドールを受賞した見事な作品である。
舞台は20年代のアイルランドのコーク。英国からの独立をめざし、アイルランド共和軍(IRA)に参加し、戦いに身を投じる若者たちを描いた物語だ。
21年に彼らは「勝利」を収め、英国軍は撤退するが、結ばれた講和条約が英連邦の自治領としての「アイルランド自由国」であり、英国王へ忠誠を誓わねばならず、北の6つの郡は分割されて英国に残る、といった英国の権限と権益が守られたままの内容だったため、条約の賛成派と反対派が対立し、アイルランド人同士が戦う内戦が勃発してしまう。主役のキリアン・マーフィー(コーク出身)扮するデミアンと兄のテディは敵対する立場となり、悲劇的な最期を迎えることになる。
この経緯については、その講和条約をまとめた張本人マイケル・コリンズを描いた映画「マイケル・コリンズ」(96年)があったが、あれの反対側の立場から描いた映画とも言えるだろう。
特にケン・ローチらしいと感じたところが2つ。ひとつは主人公たちの戦いがジェイムズ・コノリーに影響を受けた社会主義の思想に基づいていた面を強調していること。もうひとつは明らかに現在のイラクやアフガニスタンの状況に重ね合わせようとする意図が感じられることである。
劇場公開は今月18日。シネカノン有楽町、シネ・アミューズ他で封切られ、全国で順次公開の予定。

The Wind That Shakes The Barley trailer

Cillian Murphy interview on "Talking Movies"(BBC)

Wind That Shake The Barley interview with director and cast

http://www.thewindthatshakesthebarley.co.uk/
http://www.imdb.com/title/tt0460989/
http://www.muginoho.jp/
http://www.cqn.co.jp/movies/index.html#muginoho

さて、この題名の「The Wind That Shakes the Barley(直訳では「大麦を揺らす風」)」はアイルランドの伝統歌の名曲からとられており、劇中でも歌われる。1798年のユナイテッド・アイリッシュメン(統一アイルランド協会)の蜂起を歌った、いわゆるレベル・ソング(抵抗歌)だ。この曲を収録したアルバムを幾つか紹介しておく。歌詞はここ

Solas
カラン・ケイシー在籍時のソーラスの2作目の1曲目がこの曲だが、ソーラスの結成10周年記念の歴代メンバー総集合ライヴCD&DVD「Reunion」(僕がライナーを書いている日本盤はここで購入)のDVDサイドにも収録されている。カラン版のソースはサラ・メイケムだそうで、彼女の歌うヴァージョンはオムニバス「Irish Voices」で聴ける。


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さっきの記事にちょろっと書いたように、うちにある本から。 といってもとりあえず1冊。本棚の整理をしていた友人からもらったもので(持つべきものは、「本棚の整理をする蔵書家の友人」だ)、Ulick O'ConnorのThe Troubles -- The Struggle for Irish Freedom 1912 - 192..... [Read More]

Tracked on November 24, 2006 at 01:23 AM

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