« May 2005 | Main | July 2005 »

A thought on Live8 concerts

7月2日に世界各地で同時開催される「Live8」コンサートのことは、東京での開催も決まったので、みなさんもご存知だと思う。ただ、日本での報道を見ていると、20年前の「Live Aid」の再現のような伝え方をされているのが、ちょっとひっかかる。
ボブ・ゲルドフが「お金はいらない。あなたの声が必要なのだ」 と発言しているように、今回のコンサートは世界の貧困との戦いという根本にあるものは同じでも、「Live Aid」とは性格が異なるものだ。
「Live Aid」が飢餓に苦しむエチオピア難民に緊急支援物資を送るために、1ポンドでも多くのお金を集めることを目的にしたのに対し、今回は7月6日から行われるG8サミット(主要国首脳会議)に向けて、先進国政府に世界の貧困撲滅にもっと積極的に取り組むように圧力をかけることが主目的である。具体的には、最貧国の債務免除、援助金の大幅増額、公正貿易(フェア・トレード)の実現の3点を求めている。

そして、実のところ「Live8」コンサートは露払いに過ぎず、メイン・イヴェントは6日にG8サミットの開催都市となるスコットランドのエジンバラで行われる大集会&デモなのである。ゲルドフやミッジ・ユーアは「Live8」コンサートの発表前から、そちらのイヴェントに取り組んでいて、世界中から100万人以上を集めて、各国首脳に圧力をかけようとしている。そのために、様々な臨時の交通機関を手配したり、エジンバラの一般市民や教会などの組織に、集会参加者に宿泊施設を提供してほしいと呼びかけたりしているのだ。
「Live8」コンサートのことを伝えるメディアやブログなどで話題にする方々は是非とも6日のイヴェントの方にも触れてほしいと思う。

さて、日本での「Live8」コンサートだが、Bjork他が海外からやってくるのに加え、Dreams Come True, Do As Infinity, Rize といった顔ぶれが出演する。世間の関心を集めるために、一般的な人気の高いグループが出演するのは当然だし、時間を割いて参加する彼らには心から敬意を表する。
しかし、失礼ながら、吉田美和さんや伴都美子さんは本当に必要なメッセージをしっかりと伝えられるのだろうか?
というのは、「Live8」コンサートの趣旨をよく考えると、求められているのは「世界には貧困で苦しみ、命を落とす人たちがたくさんいます。みんながもっと関心を高めて、手を差し伸べましょう」といったような大きなメッセージだけでなく、G8構成国である自国の政府への具体的な訴えかけだからである。
今月上旬に開催されたG8サミットの準備会合である財務相会合で、アフリカの最貧国支援策が話し合われた際に、「Live8」が訴えている最貧国の債務免除に関して、全額帳消しを主張する米英加と一部削減の日独仏が対立した。日独仏は全額免除はモラルハザードをもたらすし、まじめに返済している国に不公平だという考えで、返済可能な水準までの一部削減を提案したのだ。もちろん日独仏のこの意見には一理ある。
結局、財務相会合は貧困国の政策の審査などの条件を付けることで日独仏が歩み寄って、債務の完全免除と新たな資金支援を盛り込んだ英国案で合意したのだが、この経緯でわかるように、日本政府の基本的な支援方針と「Live8」コンサートの訴えは完全に一致しているわけではない。

だから、このコンサートの東京での開催で本当に求められているのは、日本政府の支援策の中味の検証であり、ボノが言うように「日本はアフリカでもっとやれる」のだったら、具体的に何をもっとできるのかを日本国民が考えるきっかけにすることだろう。
フジTVはただコンサートを中継するだけでなく、日本の最貧国支援のあり方についても考える内容の番組制作をして欲しいと思う。あの最低だった「Live Aid」中継の汚名挽回を期待する。

http://www.live8live.com
http://www.live8.jp
Global Call to Action Against Poverty
ほっとけない 世界のまずしさ」(日本)
Make Poverty History」 (英)
The ONE Campaign」(米)

| | Comments (0) | TrackBack (2)

”Born To Run” 30th Anniv.edition! & the E St. Band Farewell tour!?

しばらく原稿に追われ、前のエントリーから2週間もギャップが空いてしまいました。
またもやブルース・スプリングスティーンの話題で失礼します。

以前から噂にはなっていた「明日なき暴走 Born To Run」の30周年記念スペシャル・
エディションに関するニュースが入ってきました。
http://www.badlands.co.uk/ によると、リマスターされたオリジナル・アルバムのCDに、75年のレア・トラックや未発表ライヴ録音を収録したCD、そして発掘された当時の映像にブルースとアルバム制作関係者の最新インタヴューで構成されたドキュメンタリー映像を納めたDVDという3枚組になるそうです。
8月発売とも書かれていますが、オリジナル盤は75年9月1日発売なので、そのちょうど30年後に店頭に並べたいのでしょう。もしそうなら、スケジュールを逆算すると、すべてが既に決定していなければなりません。
まあ、いつもブルース側の情報管理は水も漏らさぬという感じなので、ひそかに着々と進行しているのかも。
ただ、ブルース自身がプロジェクト全体に深く関わっているとありますが、去年のVote For Change ツアーから、Devils & Dust の制作、現在も進行中のツアーと、ずっと忙しかったのに、そんな時間がいつあったのでしょうね。

BTR

さて、現在は欧州ツアー中のブルースが再び本国を回る7~8月の日程が発表されたばかりなのに、06~07年にEストリート・バンドとの「さよならツアー」を行うという驚きのニュースも飛び込んできました。
これはスウェーデンの新聞"Aftonbladet" が事情通の情報源からとして特ダネ記事に
したもの。
それによると、今年の秋からEストリート・バンドとレコーディングを行い、来年4月にアルバムを発売。夏から07年にかけて"Farewell to the E Street Band Tour"名付けた世界ツアーを行うというのです。
Eストリート・バンドとの「さよならツアー」になる理由は、彼らとの間に軋轢があるのではなく、メンバーが一緒に長期のツアーに出るのが年々難しくなっているからだそう。
近年健康に不安のあるクラレンス・クレモンズをはじめ、「コナン・オブライアン・ショウ」のバンドリーダーの仕事で忙しいマックス・ワインバーグら、メンバーそれぞれが抱える事情を考慮したうえでの判断ということらしい。

まあ、このニュースもまだ裏がとれていないので、噂程度に考えてください。
ただ、もしここで伝えられるスケジュールが本当なら、今年のソロ・ツアーが日本に来る可能性が低いという残念なことになります。
ブルースはインドの新聞とのインタヴューで「このツアーのアジア・レッグの際にはインドにも行きたいね」と、アジア・ツアーも予定にあるような発言をしていましたから、日本に来てくれると信じているんですがね。

なお、スプリングスティーンの全カタログ紙ジャケ再発の第1回発売はいよいよ22日ですから、来週火曜日午後には店頭に並びますね。ソニーのS氏の入魂の制作です。是非お買い求めください。詳しくはここで。
第1回発売分では「明日なき暴走」のライナーを担当しています。再発にあたり、ちょっとだけ手を入れてあります。

あと、今月号の「レコード・コレクターズ」誌の表紙も飾るスプリングスティーン特集でも
記事を1本書いています。

| | Comments (6) | TrackBack (0)

Doc Watson @B.B. King's Blues Club, NY on May 18th

IMGP1768

スプリングスティーンのフィリー公演の翌日、NYに戻り、42丁目のB.B.King の店で、ドク・ワトスンを観ました。
御年82歳。大感激です。
70年代に今は亡き息子のマールと来日していますが、僕はそれを観ておらず、ドクが楽器会社の招待で来日した際に、関係者を招いたイヴェントに登場するというので、友人の楽器店員に連れられて名古屋まで行ったことがあります。
それが今から25年位前ですから、僕にとってはまさに待望のライヴです。

この「Hills of Home」ツアーの内容は2部構成になっていました。
第1部は02年のグラミー賞トラディショナル・フォーク・アルバムに輝いたデイヴィッド・ホルトとの共演作「Legacy」と同じコンセプトで、バンジョウやギターで伴奏も務めるホルトが訊き手となって、ドクに昔話をしゃべらせて、その逸話に関係したドクのレパートリーを歌い演奏するというものです。
「Let's Go Downtown!」という掛け声で始まった1曲目「Way Downtown」をはじめ、
僕らドク・ファンにはお馴染みの曲が次々と登場。いやあ、82歳ですが、ギターのタッチは衰えていません。驚きです。強いアタックでバリバリ弾いてました。歌唱の方も健在で、「わしは煙草を吸わないからな」というセリフを2度ほど口にしました。
興味深い逸話の中でも特に心を打ったのは、兄弟の中にもう一人盲目の妹さんがいるそうですが、幼い頃彼女が木に登り、目は見えなくても風や鳥の声などで木の上にいることが感じられると喜んだという話で、それが「Sitting on the Top of the World」に
つながるというところが憎いじゃないですか。

休憩を挟んで、第2部は孫(マールの遺児)のリチャード・ワトスンと2人での演奏になりますが、さすがはNYです。2部の冒頭になんと!60年代のボストン/ケンブリッジの
フォーク・シーンの中心人物だったミッチ・グリーンヒルが登場し、2曲ブルーズを歌いました。
もちろん最後はドク、デイヴィッド、リチャードの3人の演奏で締め括り。

ところで、1人で行ったので、ウェイトレスになるべく前のテーブルに空いた席を探してねと頼み、初老のカップルと20代の3人組が座っていた6人掛けのテーブルに相席させてもらいました。
で、休憩のときに3人組の中の女の子と話をしたら、一緒に来ているBFが最近クロウハンマー・バンジョウを始めて、そこからドクを知るようになった。ブルックリンに住んでいるんだけど、月に1,2度オールドタイム・ミュージックのセッションがあるのよ、とのこと。
それで、あなたたちのような20代の若い人が他にもセッションに来ているの?と訊いたら、最近は増えていて、集まる人たちは40代以上の昔からずっとオールドタイムが好きな人たちと近年興味を持った20代の若者で構成されていて、30代がすっぽり抜けているそう。
日本でもそうなんでしょうかね?

| | Comments (5) | TrackBack (0)

« May 2005 | Main | July 2005 »