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O.S.T. "The Ladykillers" (Prod.by T-Bone Burnett)

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「レディ・キラーズ The Ladykillers」 ソニーSICP-577
2004.5.12発売 定価 2,520円(税込)
http://www.sonymusic.co.jp/

僕が日本盤ライナーノーツを手がけたアルバムは随時ここで紹介していく。
まずは、5月22日ロード・ショウ公開の映画『レディ・キラーズ』のサウンドトラック・アルバム(既に発売中)。

僕も大好きなジョエル&イーサン・コーエン兄弟とトム・ハンクスが初めて組んだという話題作だが、音楽の方にも大注目である。
というのも、現在までに全米で700万枚を越える驚愕の大ヒット・アルバムとなり、02年のグラミー賞で年間最優秀アルバムなど計5部門をさらった『オー・ブラザー!』の音楽を担当した名プロデューサー、Tボーン・バーネットとコーエン兄弟のそれ以来のコラボレーション作だからだ。

Tボーンは『オー・ブラザー!』でカントリーやフォークの源流である戦前のマウンテン・ミュージックを取り上げ、マウンテン・ミュージック/ブルーグラスのブームを巻き起こした。サウンドトラックというメディアを利用して、ルーツ音楽の魅力を今の聴衆に再発見させるその手腕は本作でも活かされている。
今回、米国南部ミシシッピ州を舞台にした『レディ・キラーズ』のためにTボーンが選んだ音楽はゴスペルである。

収録曲はサム・クック在籍時のソウル・スターラーズ、クロウド・ジーター&ザ・スワン・シルヴァトーンズ、ブラインド・ウィリー・ジョンスン、ビル・ランドフォード&ザ・ランドフォデイアーズといったヴィンテージ録音が中心を占めるが、もちろんTボーンはそれらを集めるだけでは終わらない。アルバム1枚の中にその伝統を引き継ぐ、もしくはその伝統を革新しようとする現在のアーティストの作品を過去の古典と並列させて効果を挙げるところに、彼の持ち味がある。
本作でもコンテンポラリー・ゴスペルの歌手に同じ曲を競演させるだけでなく、ナッピー・ルーツやリトル・ブラザーといった南部出身のラップ・グループに、ヴィンテージ・ゴスペルの録音をサンプリングしたトラックで新曲を作らせて、南部音楽の継続性を強調している。


なお、Tボーン・バーネットに関しては、雑誌「DIG」最新号(No.36)の「ディグの穴」ページに全ソロ・アルバムの紹介記事を寄稿した。興味を持たれる方は是非読まれたし。

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Comments

映画の劇場用パンフレットにも僕の文章が載っています。この犯罪喜劇は55年の英国映画のリメイクですが、コーエン兄弟はその舞台をミシシッピ州に移すことによって「マーティン・ルーサー・キング牧師から30年後」の現代の南部への社会批評もこめています。その側面にゴスペルを使った音楽がどう機能しているか、といったことを書きました。よろしければ読んでみてください。

Posted by: Tadd | May 14, 2004 at 11:47 PM

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